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・ Yuzaki實驗室是人類生物學研究中心 - 微生物群 - 量子計算研究(Keio University)wpi-bio2q)已移至。

除了中樞神經系統、專注於周圍,自主和腸神經系統中的突觸形成機制、我們旨在闡明神經系統與多個器官之間的聯繫,以及由於其失敗而引起的病理,並開發治療方法。。

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採訪“ Erekiteru”

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長期記憶シナプス結合の可塑性

短・中期記憶の実体と考えられるシナプス伝達の機能的な可塑性について研究の1例をお話ししましたわたしたちは長期記憶を担っているシナプスの形態的な可塑性についての研究も進めています
その研究成果のひとつは発達時のみでなく成熟後においてもシナプス形成と維持に必須であるCbln1というタンパク質の発見です小脳は運動機能を司っていますがCbln1を欠損させたマウスでは小脳にシナプスが形成されず重度の歩行障害を示します。另一方面、Cbln1欠損マウスの脳が成熟した後に小脳にCbln1を注入すると急速にシナプスが形成され歩行障害が回復します神経細胞同士の間にシナプスを形成させる作用をもつ分子をシナプスオーガナイザーとよんでいますがCbln1はそのひとつです
またグルタミン酸受容体のひとつデルタ2グルタミン酸受容体(GluD2)欠損マウスもCbln1欠損マウスとよく似た運動障害を起こすことも発見しましたGluD2とCbln1はそれぞれ20年以上前に別々に発見された分子ですが一見関係のないこれらの分子が複合体を形成して神経細胞間の接着と成熟を促しているという驚くべき発見につながりましたこの研究は小脳の病気による運動障害の治療法の開発につながることが期待されます

3者の結合体がシナプス結合の接着剤

Cbln1とGluD2がシナプス形成を強力に誘導する作用をもつことはわかりましたがさらに調べてみるとニューレキシンというタンパク質との相互作用が必要であることも明らかになりました神経細胞が合成して放出したCbln1がシナプス前部の細胞膜に存在するニューレキシンとシナプス後部の細胞膜に存在するGluD2とともに三者コンプレックスを形成することによりまるで接着剤のように神経細胞間を繋ぐシナプスを形成・維持するらしいのです
またCbln1やGluD2に似た分子は小脳のほかにも海馬や大脳皮質などにも発現することがわかってきました成熟脳における新しいシナプス形成機構の解明をさらに進めることにより記憶・学習の基盤となる脳機能のさらなる理解に貢献するものと期待されます
さらにこうした研究はシナプス異常が原因と考えられる加齢による認知症や精神神経疾患の治療につながるかもしれませんあるいは新生神経細胞と既存の神経回路とを機能的に再接続する機構の解明や制御を可能とする基盤的技術の創出つまり再生医学につながる可能性もあります

PETへの期待

これまでのわたしたちの研究ではマウスをモデルとしています細胞―回路レベルにおける記憶現象はヒトと共通する基本原理が用いられていると考えられますがやはりヒトの個体レベルの現象を理解するためにはヒトの脳内でのAMPA受容体の動態を知ることが必要となります認知症やうつ病統合失調症などの精神・神経疾患では脳部位間をつなぐシナプス結合の変化が数多く報告されていることからAMPA受容体の量が変化していることが強く予想されますが残念なことにヒト脳においてグルタミン酸受容体を可視化できるツールはまだ確立していませんPET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層映像)を使ってヒト脳におけるAMPA受容体の増減を可視化できるPET分子プローブの開発が望まれます
AMPA受容体は記憶の形成に必須な受容体であることはわかっています創薬や治療法の開発や精神・神経疾患の診断や病態解明のためには個体レベルと細胞―回路レベルの現象を関連づけるためのツールが必須です

海馬大脳皮質扁桃体

ヒトの個体レベルの記憶では大脳辺縁系領域にある脳領域である海馬が注目されてきました。1950年代にてんかん治療のために海馬を切除した患者HMが有名ですが個体レベルでのエピソードに関連した長期記憶の形成には海馬が必須です五感を通じて入ったエピソード記憶(体験の記憶)の情報が大脳皮質を通過して最初に集まってくる場所が海馬だと考えられていますそこが最初にシナプスが変化して記憶のエングラムができるのは間違いありません
その後大脳皮質など海馬からの出力を受けるところでもシナプスに変化が起きます海馬に最初に記憶のエングラムができるとしても時間とともに別の場所に移っていくというのも間違いないと思いますまた海馬の方は新しい記憶のために元のエングラムはキャンセルアウトしますトラウマなど恐怖に関連した記憶にはエピソードとの関連では海馬も使いますが情動と関係が深い扁桃体などが大きな役割を果たします

細胞―回路レベルの記憶は脳内どこでも起きる

記憶の細胞―分子レベルの研究の一端を紹介しましたが脳における記憶の機構を理解するときどのレベルを対象にしているかを見極めることが重要です
細胞―分子レベルの記憶は海馬扁桃体大脳皮質小脳に限ったことではなくて基本的には脳内のどのシナプスにおいてもシナプス可塑性は起きると考えていいと思います海馬神経細胞を用いてよく実験されますが海馬だけで起きる現象ではないことが多いのですマウスの他の脳部位の神経細胞を取り出して人工的に刺激するとシナプスの可塑性が起き記憶が形成されます。但、これはあくまで神経細胞でのレベルです
この神経細胞レベルの話を個体レベルに安易に結びつけることは許されません脳の記憶の研究といってもどのレベルの研究なのかをふまえる必要がありますまた当然のことですがそれぞれのレベルで記憶研究の進展度合いが違います
記憶の機構の研究は一番下の細胞―分子レベルでは、3割くらいは明らかになったのではないでしょうか個体レベルでは最初に海馬にあったエピソード記憶がどのように別の場所にいって記憶の想起はどのように起こるのかなどというようなことの物質的な過程はまだ1割も解明されていないと思います。 <2016.03>

(つづく)

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