2025
■速やかに可逆的に光る化学プローブで、学習時におけるAMPA受容体の動きを繰り返し撮影可能に (Sci Adv) 2025.6.1 Soga K, Fujiwara T, Nakagawa M, Shibata A, Adriel H, Yatsuzuka K, murning w, Yuzaki m, 哈馬奇, Nango E, Kiyonaka s. Rapid and reversible fluorescent probe enables repeated snapshot imaging of AMPA receptors during synaptic plasticity. Sci Adv. 11:eadt6683, 2025. doi: 10.1126/sciadv.adt6683. PMID: 40479050. 私たちが学んだり覚えたりするとき、脳の神経細胞どうしのつながり(シナプス)が変化します。この変化には、神経細胞の表面にあるAMPA受容体という分子の移動が重要な役割を果たしています。これまで、こうした分子の動きを詳しく観察するためには、遺伝子を操作して受容体を光らせる方法が使われてきましたが、遺伝子操作では神経細胞本来の働きがうまく再現できないという問題がありました。今回の研究では、PFQX1(AF488)という化学プローブを使うことで、遺伝子操作をせずに神経細胞の表面にあるAMPA受容体の動きを観察できることを示しました。この化学プローブは速やかに、しかも繰り返し受容体を光らせることができ、学習や記憶の際に起こるシナプスの変化を“スナップショット”のように捉えることが可能です。ERATO/CRESTで共同研究していた名古屋大学の清中研の素晴らしいお仕事です。掛川・柚崎がほんの少しだけお手伝いしました。