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Welcome to Yuzaki Lab
    慶應義塾大学医学部柚崎研(神経生理学)では「神経活動や環境の変化が、どのようにして記憶・学習を引き起こし、どのように神経回路網そのものを変化させるのか」というテーマに沿って研究を行っています。詳しくはこちら
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投稿者の記事一覧

六車 恵子 博士を迎えてBrain Clubを行いました

第162回 Brain Clubは六車恵子博士(関西医科大学 医学部)をお迎えしました。演題は「多能性幹細胞を用いた脳発生と疾患研究」です。発生生物学研究に根ざしたES細胞・iPS細胞から脳組織を分化させる技術の発達について歴史的なことも踏まえて解説していただき、最後に疾患研究への応用の現状や展望についてお話いただきました。脳発生学の研究の重要性とともに、脳発生に時間がかかるヒト由来のiPS細胞から脳組織を作り上げる難しさと面白さを学びました。

posted on 11/30/2023 6:53 PM

實吉 岳郎 博士を迎えてBrain Clubを行いました

第161回のBrain Clubは實吉岳郎博士(京都大学)をお迎えしました。演題は「樹状突起スパイン内部のコフィリンは液ー液相分離によって分子活性のグラディエントを形成する」です。記憶学習の基礎過程と考えられている長期増強(LTP)では、樹状突起スパインが長期的に大きくなる構造的な変化が起きますがそのメカニズムは十分に分かっていませんでした。實吉博士はスパイン内で一時的に増加したCa濃度が、カルモデュリンキナーゼ(CaMKII)やその下流の酵素群を持続的に活性化し、その結果アクチン骨格を変化させるメカニズムを見事に明らかにされてきました。一同興味深く拝聴しました。

posted on 11/29/2023 6:45 PM

2023/11/06 Journal Club (Yuzaki)

今回はシンガポールで行われたA Symposium on Neuroscience of Dementiaの内容をシェアします。特にKeynote Lectureの一つDr. Hee-Sup Shinの講演について元となったいくつかの論文を紹介します。
resumeはSlackで配布します。

I will report on the proceedings of “A Symposium on the Neuroscience of Dementia,” which was recently held in Singapore. In particular, I will introduce the following two papers, on which the one of the keynote lectures by Dr. Hee-Sup Shin was based.
The resume will be distributed via Slack.

Key reference:
1.Hemispherically lateralized rhythmic oscillations in the cingulate-amygdala circuit drive affective empathy in mice.
Kim SW, Kim M, Baek J, Latchoumane CF, Gangadharan G, Yoon Y, Kim DS, Lee JH, Shin HS.
Neuron. 2023 Feb 1;111(3):418-429.e4. doi: 10.1016/j.neuron.2022.11.001.PMID: 36460007

2.A Missense Variant at the Nrxn3 Locus Enhances Empathy Fear in the Mouse.
Keum S, Kim A, Shin JJ, Kim JH, Park J, Shin HS.
Neuron. 2018 May 2;98(3):588-601.e5. doi: 10.1016/j.neuron.2018.03.041. PMID: 29681532

posted on 11/05/2023 4:35 PM

紫綬褒章を受章しました

柚﨑が2023年秋の紫綬褒章受章の栄に浴することとなりました。紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術分野で顕著な功績をあげた人に国から贈られる栄典の記章です。伝達式と拝謁は11月13日に行われました。写真は伝達式にて受章者を代表して俵万智さんです。今回の受章は神経科学分野の功績を評価していただいたものですが、もちろん、これまでに一緒に研究してきてくれたスタッフ・ポスドク・大学院生・テクニシャン・秘書の皆さんそして多くの共同研究者の方々のおかげです。お祝いの電報やメールを多くの方々からいただき感謝です。

posted on 11/03/2023 4:12 PM

Singaporeにて2つの講演をしました

10月30-31日にシンガポールで行われた、”A symposium on Neuroscience of Dementia“に出席し、柚﨑はKeynote lectureを行いました。もう一人のKeynote lectureは韓国のHee-Sup Shin教授でした。このシンポジウムは日本のAMEDのようなグループ研究で、Lee Kong Chian School of MedicineのGeorge Augustine教授を代表とした認知症に対する5年半の大きなグラント研究の集大成でした。さらに10月31日にはDuke-NUS (National University of Sigapore)にて、セミナーを行いました。柚﨑研出身でDuke=NUSで独立している西山君の招きによるものです(写真はこちら)。

posted on 11/01/2023 2:29 PM

日本学術会議会員に選出されました

日本学術会議の第26-27期会員(第二部:生命科学)に柚崎が選出され、10月2日に、総理大臣官邸にて任命式が行われました。6年間の任期で、第25期の基礎医学委員会の副委員長を務めます。

posted on 10/02/2023 7:16 PM

第5回UK-Japan Neuroscience Symposiumが行われました

第5回UK-Japan Neuroscience Symposiumが8月31日から9月2日の日程でイギリスのWalesで行われました。柚崎研からは大学院生の塩崎さんが口頭発表、高杉くんがポスター発表を行いました。高杉くんが優秀ポスター賞に選ばれました。おめでとう!!賞品として次回の第6回Symposiumに招待発表される予定です。なお、塩崎さんは第4回のUK-Japan Neuroscience Symposiumにて優秀ポスター賞に選出されたために、今回は口頭での招待発表でした。柚崎研から2年連続の快挙です。

posted on 09/06/2023 1:46 PM

中川輝良博士を迎えて第160回Brain Clubを行いました

第160回のBrain Clubは一時帰国中の中川輝良先生(Vanderbilt大学)をお迎えしました。演題は「Visualizing putative ions and water molecules in the ion conduction path of the AMPA receptor」です。AMPA受容体は中枢神経系における速い興奮性伝達の担い手であり、その構造と機能の解明は基礎科学的のみならず臨床的な応用の可能性が広がる重要なテーマです。中川博士はクライオ電顕を用いて、2.3Åに達する解像度によってCa2+透過型AMPA受容体の構造を明らかにされました。面白いことにチャネル開口時にAMPA受容体に高度に保存されているゲート(SYTANLAAF)が開いた時に、同部位にCa2+に結合することをお話いただきました。おそらくNa+等の他のイオンの流入を阻害するとともに、効率的なCa2+透過性を実現するためのメカニズムと考えられ、一同興味深く拝聴しました。

posted on 08/31/2023 9:15 PM

鈴木基高博士を迎えて第159回Brain Clubを行いました

第159回Brain Clubは8月10日にUniversity of Amsterdamの鈴木基高博士を迎えて開催されました。演題はGeneral anesthesia decouples cortical pyramidal neurons: an updateです。対面のみの開催で、かつ夏季休暇中なので人が少ないことを危惧しましたが、多くの方が参加して活発に議論が行われました。(写真を撮るタイミングを逸してしまって写真には一部の者しか載っていません)。

posted on 08/10/2023 11:01 AM

デリーナさんがポスター賞を受賞

国際共同研究加速基金(国際先導研究)「記憶メカニズムの多次元解析–nmからメゾスケール/ミリ秒から日スケールまで」の第一回のRetreatが御殿場にて8月5日から8日まで行われました。Max Planck Florida Institute of Neuroscience (アメリカ)およびInterdisciplinary Institute of Neuroscience (IINS) -ボルドーNeurocampus(フランス)および国内(京大・慶應・東大・新潟大・遺伝研)から多くのPI・ポスドク・研究員が集い、連日遅くまで議論が行われました。柚﨑研から口演およびポスター発表したデリーナさんがポスター賞3名のうち1名に選出されました。お目出度うございました。このグラントの支援でこれから7年間(審査に通れば10年間)、大学院生・ポスドク・若手研究者を中心とした国際交流と共同研究の進展が期待されています。

 

 

posted on 08/08/2023 4:15 PM

野澤君が時実優秀博士研究賞を受賞しました

本年3月に学位(医学博士)を取得した野澤君が、2023年度の時実利彦記念神経科学優秀博士研究賞を受賞し仙台での日本神経科学大会にて表彰されました。野澤君は3月に慶應義塾大学で行われた学位授与式でも、医学研究科の代表に選ばれています。おめでとうございました。

posted on 08/02/2023 9:04 AM

会見君の論文がpublishされました。

会見君の論文「C1ql1-Bai3 signaling is necessary for climbing fiber synapse formation in mature Purkinje cells in coordination with neuronal activity」がMolecular Brain誌にPublishされました。小脳プルキンエ細胞は幼若時には複数の登上線維とシナプスを作りますが、発達期に1本の登上線維を除いて不要なシナプスが刈り込まれます。この論文では、登上線維:プルキンエ細胞が1:1の支配様式を確立した成熟小脳においても、C1ql1やBai3の発現量を増加させることによって、再びプルキンエ細胞が複数の登上線維とシナプスを作ること、登上線維は通常は前後方向に分岐するが、新たに作られるシナプスは内外方向に分岐する登上線維の枝に由来するること、そして登上線維やプルキンエ細胞の電気活動が存在することが新しいシナプス形成に必要であることを発見しました。GluD2グルタミン酸受容体を成熟後にノックアウトした折にも、複数の登上線維の内外方向の分岐がプルキンエ細胞とシナプスを作ることが知られていますが、この現象もC1ql1-Bai3シグナリングに依存していることもわかりました。

posted on 07/25/2023 1:32 PM