The US-Japan脳科学協力事業シンポジウム参加
2013年7月18日-20日に米国シアトルにて行われたThe US-Japan Brain Research Collaborative Programが行われました。今回のテーマは“Current Trends and Future Directions of Synaptic Plasticity Research”です。当教室からは柚崎のinvited talkに加えて特任助教の鈴木君、大学院生の大塚君がポスター発表を行いました。
posted on 07/22/2013 4:15 PM


神経細胞間の情報のやりとりはシナプスで行われます。シナプスの伝達効率の長期的抑圧(LTD)は、脳における記憶・学習の基礎過程です。小脳においては、学習により小脳顆粒細胞―プルキンエ細胞間のシナプス伝達にLTD)が起きることが運動に関与する記憶(巧緻性やタイミングなど)に必須の役割を果たします。LTDは一般にシナプス後部の神経細胞において、グルタミン酸を受け取るAMPA型グルタミン酸受容体の数の低下によって起こります。小脳LTDの特徴は、これに加えてプルキンエ細胞に特異的に存在するデルタ2型グルタミン酸受容体を必要とすることです。この原因やメカニズムは謎のまま長年残されていました。本論文ではついにこの謎を解くことに成功しました。デルタ2受容体はAMPA受容体のリン酸化状態を制御することによって、LTDが起きるか起きないかを決定するいわばマスター鍵として作用していることが判明しました。

