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Welcome to Yuzaki Lab

・柚﨑研は慶應義塾大学 ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター(WPI-Bio2Q)に移動しました。

・中枢神経系に加えて、末梢・自律・腸管神経系でのシナプス形成機構に焦点をあて、神経系と多臓器の連関機構やその破綻による病態の解明と治療法の開発を目指します。

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2025

■神経細胞のタンパク質NP2がシナプス後AMPA受容体(AMPAR)に結合するのを阻害するVHH抗体の開発 (J Biol Chem) 2025.11.25 Yokoo T, Nakakido M, Matsuda K, Caaveiro JMM, Fernandez-Perez J, Yuzaki M, Tsumoto K. Development of a VHH that inhibits the binding of neuronal pentraxin 2 to a post-synaptic glutamate receptor, AMPAR. J Biol Chem. 2025 Nov 25:110975. doi: 10.1016/j.jbc.2025.110975. Epub ahead of print. PMID: 41308985. 脳では神経細胞同士が「シナプス」でつながり、情報をやり取りしています。本研究は、シナプス作りを助けるタンパク質NP2が、受容体(AMPAR)にどう結合して働くのかを、NP2に特異的に結合する小型抗体(VHH)で解明しました。この抗体はNP2とAMPARの結合を妨げられることが分かり、NP2の検出や、慢性的なかゆみの治療への応用が期待されます。東大津本研・中木戸研から柚崎研に学振特別研究員PDとして参加した横尾君の学位論文です。

■速やかに可逆的に光る化学プローブで、学習時におけるAMPA受容体の動きを繰り返し撮影可能に (Sci Adv) 2025.6.1 Soga K, Fujiwara T, Nakagawa M, Shibata A, Adriel H, Yatsuzuka K, Kakegawa W, Yuzaki M, Hamachi I, Nango E, Kiyonaka S. Rapid and reversible fluorescent probe enables repeated snapshot imaging of AMPA receptors during synaptic plasticity. Sci Adv. 11:eadt6683, 2025. doi: 10.1126/sciadv.adt6683. PMID: 40479050. 私たちが学んだり覚えたりするとき、脳の神経細胞どうしのつながり(シナプス)が変化します。この変化には、神経細胞の表面にあるAMPA受容体という分子の移動が重要な役割を果たしています。これまで、こうした分子の動きを詳しく観察するためには、遺伝子を操作して受容体を光らせる方法が使われてきましたが、遺伝子操作では神経細胞本来の働きがうまく再現できないという問題がありました。今回の研究では、PFQX1(AF488)という化学プローブを使うことで、遺伝子操作をせずに神経細胞の表面にあるAMPA受容体の動きを観察できることを示しました。この化学プローブは速やかに、しかも繰り返し受容体を光らせることができ、学習や記憶の際に起こるシナプスの変化を“スナップショット”のように捉えることが可能です。ERATO/CRESTで共同研究していた名古屋大学の清中研の素晴らしいお仕事です。掛川・柚崎がほんの少しだけお手伝いしました。