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Welcome to Yuzaki Lab
    慶應義塾大学医学部柚崎研(神経生理学)では「神経活動や環境の変化が、どのようにして記憶・学習を引き起こし、どのように神経回路網そのものを変化させるのか」というテーマに沿って研究を行っています
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2016

C1qファミリータンパク質によるシナプス形成機構(Neurosci Res)2016.11.12
Matsuda K. Synapse organization and modulation via C1q family proteins and their receptors in the central nervous system. Neurosci Res in press, 2016.

松田恵子講師による補体C1qファミリータンパク質によるシナプス形成機構についてのInvited Reviewです。

Cbln1は「非」運動学習を制御する(J Neurosci)2016.11.18
Otsuka S, Konno K, Abe M, Motohashi J, Kohda K, Sakimura K, Watanabe M, Yuzaki M. Roles of Cbln1 in Non-Motor Functions of Mice. J Neurosci 36 :11801-11816, 2016.

小脳は運動学習とほかに非運動学習に関与すると考えられています。実際に、Cbln1およびGluD2は小脳シナプスに選択的に発現してシナプス形成を制御することが分かっていますが、これらの遺伝子変異によってヒト認知機能障害が起きます。しかしこれらの障害が小脳の異常によるのかどうかについては明確ではありませんでした。この研究では、前脳あるいは小脳特異的にCbln1を欠損するマウスを用いて恐怖条件づけ学習を調べることによって、前脳および小脳に発現しているCbln1がそれぞれ、恐怖条件づけ学習において特有の機能を担っていることを初めて明らかにしました。柚﨑研の大塚君の学位論文です。北大渡辺研の今野先生(共同第一著者)、新潟大崎村研の阿部先生との共同研究の成果です。

心拍恐怖条件付け学習に対するδ2受容体の関与(PLoS One)2016.11.14
Kotajima-Murakami H, Narumi S, Yuzaki M, Yanagihara D. Involvement of GluD2 in Fear-Conditioned Bradycardia in Mice. PLoS One 11:e0166144, 2016.

δ2グルタミン酸受容体(GluD2)は、さまざまな非運動学習に関与することが知られています。本研究では恐怖刺激によって引き起こされる心拍の徐脈反応に対するGluD2の関与について明らかにしました。東大柳原研究室の古田島さんのお仕事です。

神経細胞と神経細胞の間をつなぐ架け橋の構造(Science)2016.7.15
Elegheert J, Kakegawa W, Clay JE, Shanks N, Behiels E, Matsuda K, Kohda K, Miura E, Rossmann M, Mitakidis N, Motohashi J, Chang VT, Siebold C, Greger IH, Nakagawa T, Yuzaki M*, Aricescu AR*. Structural basis for integration of GluD receptors within synaptic organizer complexes.  Science 353:295-299, 2016.(*co-corresponding author).

小脳神経回路では、シナプス前部は補体ファミリー分子Cbln1を放出し、シナプス前部に存在するNrxに結合します。一方、Cbln1はシナプス後部のデルタ2型グルタミン酸受容体(GluD2)にも同時に結合してシナプス形成を引き起こします。今回、Nrx-Cbln1-GluD2という3者複合体の構造が初めて解き明かされました。その結果、Cbln1は接着剤のようにシナプス前部とシナプス後部をつなぎとめる働きをするのみでなく、シナプス後部のGluD2の働きを調節し、シナプス可塑性(長期抑圧(LTD))を制御することが明らかになりました。本研究はOxford大学のAricescu博士と共同研究の成果で、共同責任著者論文です。

グルタミン酸受容体を人工的に化学的に活性化させる方法の開発(Nature Chemistry)2016.6.28
Kiyonaka S, Kubota R, Michibata Y, Sakakura M, Takahashi H, Numata T, Inoue R, Yuzaki M, Hamachi I. Allosteric activation of membrane-bound glutamate receptors using coordination chemistry within living cells. Nature Chemistry 8 :958-967, 2016.

グルタミン酸受容体はグルタミン酸の結合によってリガンド結合部位のコンフォメーションが変化します。リガンド結合部位の適当な部位に2つのHis残基を導入し、Pd分子投与によってコンフォメーションを変化させることによって、イオンチャネル型および代謝型グルタミン酸受容体の活性化・不活性化を人工的に調節する方法が開発されました。この研究は京大・浜地研のお仕事です。柚崎研はCREST分担研究として参加しています。

C1q様タンパク質」は、シナプスを越えてカイニン酸受容体の位置と機能を制御する(Neuron)2016.4.28
Matsuda K, Budisantoso T, Mitakidis N, Sugaya Y, Miura E, Kakegawa W, Yamasaki M, Konno K, Uchigashima M, Abe M, Watanabe I, Kano M, Watanabe M, Sakimura K, Aricescu AR, Yuzaki M. Trans-synaptic modulation of kainate receptor functions by C1q-like proteins.  Neuron 2016 May 18;90(4):752-67.

グルタミン酸受容体のうちカイニン酸受容体は、記憶・学習に重要な脳部位である海馬の特定のシナプスに特に多く存在し、他の受容体には無いゆっくりとした伝達速度によって、海馬の神経ネットワーク活動の統合に必須の働きをします。しかし、カイニン酸受容体がどのような機構で特定のシナプスにのみ組み込まれるのか、そのメカニズムは良く分かっていませんでした。本論文ではは、神経細胞がC1ql2 およびC1ql3と呼ぶたんぱく質を分泌することによって、カイニン酸受容体を直接集めてくることを発見しました。さらに、C1ql2とC1ql3を欠損したマウスの海馬では、カイニン酸受容体がシナプスに組み込まれず、てんかんを人工的に誘導する刺激を与えてもてんかん発作が起きにくくなることが分かりました。C1ql2、C1ql3はさまざまな脳部位にも存在し、それぞれの神経回路のシナプスへのカイニン酸受容体の組み込みと機能を制御することで適切な神経ネットワーク活動を作り上げると考えられます。本研究の成果は、てんかんや自閉症の原因解明と治療法開発に役立つことが期待されます。松田恵子講師とTim Budisantoso君の仕事です。

Notchシグナリングは興奮性ニューロンにおいてシナプス小胞タンパク質の発現を制御する(Scientific Reports)2016.4.7
Hayashi Y, Nishimune H, Hozumi K, Saga Y, Harada A, Yuzaki M, Iwatsubo T, Kopan R, Tomita T. A novel non-canonical Notch signaling regulates expression of
synaptic vesicle proteins in excitatory neurons.  Sci Rep2016 Apr 4;6:23969.
doi: 10.1038/srep23969. PubMed PMID: 27040987.
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Notchシグナリングによるシナプス小胞タンパク質の発現制御についての論文がScientific Reportsに掲載されました。竹尾助教(特任)が富田研で行った仕事です。

AMPA受容体二重リン酸化による小脳LTDの数理モデル(PLOS Computational Biology)2016.1.28
Gallimore AR, Aricescu AR, Yuzaki M, Calinescu R. A Computational Model of the GluA2-Y876/GluA2-S880 Master Switch for Cerebellar Long-Term Depression. PLOS Computational Biology12(1): e1004664. doi:10.1371/journal.pcbi.1004664.
δ2受容体はAMPA受容体GluA2サブユニットのチロシンリン酸化を制御することにより、GluA2のチロシンリン酸化部位に隣接するセリンリン酸化を制御するという私たちの発見に基づいたコンピュータシミュレーションです。小脳LTDの挙動を実に見事に再現できています。